その刹那を永遠に
年末にこんな話をするのもなんだと思うんですけど、でも最近思ったことだからちょっと記しておきたい。
最近怖いんですよね。嵐が。なんかすごすぎて。
私が嵐を好きになったのは凡そ6年前でしょうか。ちょうど彼らが10周年を迎える迎えないくらいの時期だったと思う。
好きになったと言っても、ひとめぼれしたわけではなく、徐々に徐々に、いつの間にか、気付いたらこんなに好きになっていた。だから嵐に関して、「○○堕ち」とか、「好きになって何年」とかって言えないんですよね。正直。分かんない。
少なくともそれまでの私は民放番組はほぼ見なくて、ひたすらNHK教育テレビで育った人間だから、「ジャニーズ」も「嵐」も「アイドル」も、それどころか同級生の間で流行っていたドラマなんかも全く知らなくて。だから、嵐を介していろんなものを知っていった感じがする。
そんな私が嵐の番組を見始めたころは、今振り返れば乗ってきた勢いが安定し始めていたくらいの時期だったんじゃないかな。「嵐の宿題くん」、「ひみつの嵐ちゃん」、「VS嵐」とレギュラーは3番組持っていたし、特番も多かったし、ゲスト出演することも多かったし、嵐主演のドラマがリレーのバトンを繋いでいくように次々と決まって。当時は嵐しか知らなかったから「そういうものなのかな」と特に何も思っていなかったけれど、今考えるとマジすごい。
そしてデビュー17年目に突入した今。私が嵐を見るようになってから約6年。
彼らの勢いは未だ止まることを知らなくて、どんどん凄い記録を打ち立てていく。
最近のをいくつか挙げてみると…
*2010年に紅白初出場、その翌年から5年連続で白組の司会を任される。
*オリコン年間ランキング2015では去年の自身の記録を塗り替える11冠を達成。
*DVDランキングでは3年連続で1位・2位を独占。総合DVD部門で最多年間1位を獲得し、枚数記録は5年連続で更新している。
*先日「ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism」を無事に終え、史上最速で単独公演総動員数が1000万人を突破。
なんかもう、いろいろすごすぎて意味わかんない。深夜番組でおバカ実験やったり乳首あきTシャツ着てすごろくしてたり、ただただうだうだしていたような人達だったはずなのに、「どこにでもいそうな近所のお兄ちゃん」みたいだと感じていたはずなのに、今はなんだかものすごく遠くて、なんかもう超連発してるけどホントに意味わかんない。
もちろん嵐5人がそれぞれにとっても魅力的な人で、しかも5人が集まるとさらにその魅力は増幅する。だからこのような記録を作り出せる、”国民的アイドル”と呼ばれるにふさわしいところまで来たのだと思うんだけれど。
連日ものすごい記録が報道されるのをみて、ふと、怖くなった。
「今これだけ冠番組もCMもたっくさんやって、コンサートも毎年やってくれて、記録をバンバン打ち立てて、いろんなことで1位になっているけど、もし、もし例えば明日、突然それがものすごい勢いで崩れてなくなってしまったらどうしよう…?」
こんなに毎日といっていいほど嵐の姿をTVで見たり、嵐の話題が報道されたりしていて、それが嘘みたいになくなってしまったらどうしよう、っていう不安が唐突に、湧き上がってきたんですよね。。
この間、ビビットで二宮さんも
いろんな記録を連日のように打ち立てていることに対して
「いやもうね、他人事ですよ。すげえな!みたいな」
「客観的になっちゃいますよねすごすぎて」
って言ってて、その記録の数々が本当にすごいものなんだなって感じた。
もう「やったね!」ってレベルの話じゃないんだよ。そんなことってあるんだね。
2004年の24時間テレビで相葉さんが手紙につづった「トップになりたいって夢、絶対かなえようね。」という言葉。本当のことになるどころか、きっと彼らのイメージしていたところより遥か高い場所で、いま嵐は走り続けている。
ちょっと話はかわるけれど、私は最近嵐の曲を聴いていて感じることがあります。
それは、「永遠」というものの「儚さ」や「脆弱さ」。
嵐の曲には、それを感じられる歌詞が多くあるように思います。少し例を挙げてみると…
♪miyabi-night(アルバム『Japonism』/2015 より)
きっと永遠じゃないから 眩しく輝いた
ただ今日を重ねながら 未来に確かな鼓動を感じて
形在るものはきっと いつかは消えてゆくのだとしても
Ah Ta-Li-La-Li-La… 永遠に響け
♪PIKA★★NCHI DOUBLE(シングル「PIKA★★NCHI DOUBLE」/2004 などより)
終わったはずの夢がまだ 僕らの背中に迫る
刻まれた思い出が騒ぎ出す
限られた愛と時間を 両手に抱きしめる
せめて今日だけは 消えないで
止まった時間は夕暮れ 僕らの未来を照らす
二度と戻れない 夜の中で
いつまでも語り続ける 永遠と希望の歌を
たとえ今だけと分かっていても
アルバム『Japonism』は、そのタイトルからもなんとなく分かるかと思いますが、「無常観」とか、それに対する「儚さ」「切なさ」を感じるものが多いんですよね。中でも特にその色が強いのが、♪miyabi-night だと思っています。曲調は明るいのに、なんだかものすごく切ない気持ちになる。
♪PIKA★★NCHI DOUBLE は、嵐主演の映画『ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけどHAPPY』の続編である『ピカ★★ンチ LIFE IS HARD だからHAPPY』の主題歌です。映画を見れば、とてもそのストーリーに合っている歌詞だということが分かって頂けるかと。この曲が発売されたのが2004年だから、今から11年前。最年長の智くんも、まだ24歳?わっかいね。末っ子は21歳。わっっっかいね。そんな嵐がもうこんなに切ない青春ソングを歌っているんだよ。いや、もしかしたら、あの当時だったからこそ、なのかもしれないな。。
なんかね、こういう曲を聴いたり歌詞を見たりしていると、「あぁ、嵐っぽいな」って感じるんです。永遠なんてないことは分かっていて、それでも永遠を歌うんです。
嵐って、「今見ている夢のような景色はいつなくなってもおかしくない」ってことをものすごく自覚している人たちだと思うんだ。
デビューして間もないころ、コンサートを行っても客席は満員にはならなくて、スタッフが気を使って暗幕で隠してくれていたこと。
「嵐」とは何かに悩み、将来に不安を覚えながらみんなで毎晩話し合ったこと。
冠番組が終わるということを経験したこと。
翔さんが骨折したり、相葉さんが肺気胸になったり、にのがハリウッドに行ったりして嵐としての活動が4人でしかできない期間があったこと。
なかなかCDの売り上げが伸びず、デビューから凡そ8年後の2007年にようやく年間トップ10に入ったこと。
いろいろなことを経験しながらひとつひとつ階段を上がってきた彼らの、最近のそのスピードは当人もびっくりの速さだ。
15周年を記念して行われた、2014年の「ARASHI BLAST in Hawaii」。それに密着したNHKのドキュメンタリー番組「嵐 15年目の告白~LIVE&DOCUMENT~」で、翔さんはこんな風に語っている。
「こんな夢みたいなところまで来られると思ってなかったから。…1日でも長くこの夢が覚めないようにっていうのが目標なんだよなぁ。ほんのちょっとのことで、きっと零れ落ちてっちゃうから。20周年も25周年も、こうやって馬鹿笑いできてる、できるようにするっていうのが目標かな。」
同番組の中では、こんな会話もあった。
2002~2003年ごろ、「嵐」としての活動に悩んでいた5人はお蕎麦屋さんで話し合いをした。今の状況を打破するためには、今の仕事も生活も全部0にして、下剋上を起こすしかない。そんな意見も出ていた。しかし、それに対して「嫌だ。」と返したのは、リーダー・大野智だった。これまで、いろんなことを分かった、と受け入れてきた智くんが、この時だけは嫌だと言った。
「今目の前にあることを頑張れないやつが、何を頑張れるんだ。」
この言葉は、にのの心に刺さり、彼の仕事の根底にもなったという。
智くん自身、Jr.時代の多くを京都で過ごし、毎日ハードスケジュールで舞台に臨んでいた。踊りの勉強がしたかったから。だけど、頑張って稽古をしても客席が埋まらない現実。そんな苦しい時期を乗り越え、その重ねてきた練習が智くんの実力として確固たるものになったという経験が、彼にそんな言葉を言わせたのだと思う。智くんはその発言を覚えていないようだったから、本当に自然に、彼の強い信念が口に出たんじゃないかな。全部憶測だけれど。
相葉さんは語る。
「ゆっくりでもさ、遠回りしてもさ、止まんないようにさ、5人で歩いて行けたら1番嬉しいけどなぁ。」
そもそもJr.のときにグループとして活動していたわけでもなく、5人中3人がやめたかったような人たちが、デビューしていろんなことにぶつかって、そのたびに5人の結束をだんだんと深めていきながらひとつひとつ乗り越え進んできたその関係性の強さは計り知れないものがある。あ~~~~本当に智くん途中でやめなくてよかった!!!!にのと翔さんは割と早い段階で決心できたって言ってたけど、デビュー前も然り、2006年ごろからやめたくてずっと葛藤していた智くんほんとやめなくてよかった。やっぱり10周年を超えるってところが、ひとつ大きな境目になるんだろうなぁ、なんて。
なんだか話があちらこちらに行っているような気がするけれど、つまり言いたかったことは、本人たちがきっと一番「これから先いつどうなるか分からない」ということを理解しているし、そのことに対する覚悟を持ったうえで仕事に臨んでいるんだろうということ。
それを今、改めて私が感じるのは、デビュー10周年を記念してメンバーで作詞を行った ♪5×10 の歌詞
「永遠が、ほら永遠が 僕と君だけに生まれたんだ。」
どこまでも謙虚に、ひとつひとつの仕事に真正面から向き合って、もしかしたらあの時、零れ落ちてしまっていたかもしれない夢のような景色を、できるだけ長く、永く見ていられるように努力している人たちだと思うから。
そして、ファンの存在を大切にしてくれる人たちなんだと思うから。
あんなに夢を描いてきた彼ら5人が、いま瞳の中に見据えている未来を、どう見せてくれるのか。私は私なりに、その答えを精一杯受け止めたい。
まっすぐに進んでいく「嵐」を、これからも変わらぬ愛で包み込みたい。